
今年9月27日に久しぶりに「モダンチェンバロの魅力」コンサートをいたします。
この会はモダンチェンバロを知っていただくためのシリーズコンサートです。
チラシに情報が少なくて、これではわかりづらいと思いますので、少し解説します。
1940年代のランドフスカの発案により、パリのピアノメーカーによって作りだされたのがモダンチェンバロです。この楽器は当時の作曲家を魅了し数々の名作を生み出してきました。が、1970年代になってヒストリカルチェンバロの台頭により製造がされなくなりました。
モダンチェンバロの出現は当時衝撃的であったと思われます。
ちょうどドルメッチらの歴史的音楽研究の活動と時を同じくしてバロック音楽が再び華やかな時代を迎える時だったのですから。
さて、我が神楽坂チェンバロスタジオでは今や貴重な楽器となったこのモダンチェンバロを追求しています。
今回はデンマークで現在精力的に活動されている作曲家ハンス・ヘンリック・ノードストローム氏のチェンバロ作品3曲を中心に演奏会を組み立てました。
2曲のチェンバロソロ曲は1つは「銅版画」1つは「幻想曲」。どちらもファンタスティックな作品で緻密で繊細な音に満ちています。
もう1曲の「ふらり」はチェロとチェンバロの曲です。
作曲家の解説に寄ればそれはあてどなく目的を持たずに旅をするような、そして数々のイベント(出来事)に遭遇しながら旅の目的が変わっていく、最終目的を決めずに進むことなのだそうです。
いくつもの場面展開があってとても心地よい音楽なのです。
Yngve Jan Trede氏はチェンバロ奏者でした。
美しいチェンバロ作品を書き残しています。今回は12のプレリュードを弾きます。バッハが書いたような調を半音階で追いながら、短い12の作品になっています。それぞれがチェンバロの技術を最大限に引き出していて素晴らしい作品です。チェンバロだけではなく鍵盤奏者の方たちに知ってもらいたい作品です。
野川晴義さんはもう30年ほど前から作品を弾かせていただいている作曲家です。
猟奇的、エロティック、ファンタスティック、どういう言葉で表すものか。野川さんの作品は独特な素晴らしい世界をチェンバロで弾けることがとてもうれしいです。
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